2023年度の研究成果一覧はこちらからご覧ください。2022年度の研究成果一覧はこちらからご覧ください。 2021年度の研究成果一覧はこちらからご覧ください。2020年度の研究成果一覧はこちらからご覧ください。2019年度の研究成果一覧はこちらからご覧ください。2018年度の研究成果一覧はこちらからご覧ください。2017年度の研究成果一覧はこちらからご覧ください。 掘削コア試料を用いた三次元原位置応力状態の解明地殻内の応力状態は,大地震発生メカニズムの解明やシェール革命といったテーマと密接に関連する基本的かつ重要なパラメータです。我々の研究室は,数ある応力測定法の中でも,掘削コア試料を用いた測定法であるASR法やDCDA法に着目して地殻応力状態の解明に挑んでいます。我々はこれまでにも,南海トラフ・野島断層といった地震断層や様々な石油坑井における応力測定を実施し,その近傍の応力状態を解明してきました。今後も地殻応力という観点から,地球の謎に挑んでいきます。応力測定に用いる採掘コア試料ASR法に用いるコア試料. ひずみゲージを用いて測定を行う.岩石の物理的性質の評価地球資源の探査や開発のほか、地震の原因となる断層運動について理解するために岩石の物理的特性を知ることは必要不可欠です。特に、掘削されたコア試料や坑井の検層データを用いた評価は、物理探査に比べてより高精度な測定が可能であり、高度なシミュレーションを行うための基礎研究として重要な位置づけとなっています。本研究室では2016年に熊本地震を引き起こしたとされる布田川断層で掘削された坑井を用いて、比抵抗特性や熱物性の評価を行っているほか、より多様な条件下での計測を可能にするために測定手法の開発に着手しており、これらの研究を通じて地震をはじめとする自然現象の解明に挑んでいます。測定試料の様子断層変形した地表の様子(熊本県益城町)深部地熱資源のポテンシャル評価のための状態・物性推定地下深部に存在すると考えられる超臨界地熱資源は従来より多くのエネルギーを秘めており、開発が進めば二酸化炭素排出量を抑えた大規模発電が可能になると考えられています。開発には温度などの物性値評価が不可欠な一方で、原位置での掘削データが少ないこと、深部などのデータに様々な不確実性があることが課題となり、具体的な掘削位置の選定ができない現状です。そこで本研究室では、地熱地域で取得された検層データや物理探査データをもとに、ベイズ推定や岩石物理モデルを用いて、不確実性を考慮した地熱資源評価手法の開発を行っています。また地熱資源の有望地域へ適用し、開発手法の評価を行っています。ベイズモデリングによって推定された葛根田地熱地域の温度分布 (Ishitsuka et al., 2022 Geothermics)干渉SAR解析を用いた地表変動量の推定と地下のモニタリング干渉SAR解析は、合成開口レーダ(SAR)で別時刻に取得された2回の観測の位相差から地表変動を推定する手法です。人工衛星に搭載されたSARのデータを用いることで、広域的な地表変動を時系列的に推定することができます。地表変動は、地下の応力状態や地下水位の変化に伴って引き起こされ、さらに地表変動の空間分布は地下構造や物性の不均質性を反映しているため、地下のモニタリングに有効であると考えられます。そのため、本研究室では、より高精度に地表変動を推定するための干渉SAR解析の手法開発を行うとともに、地表変動の要因となった地下構造や状態変化を解明するための研究を行っています。また、新しい観測手法として、ドローンを用いて、SARデータを取得する手法の開発を行っています。PS干渉SAR解析によって推定した大阪平野周辺の衛星視線方向の年間地表変動量 (2015年4月~2019年4月) (重光ほか, 2022 応用地質)×印は2018年大阪北部地震の震央を、★印は変動量の相対基準点を、黒丸印は地下水位観測点を、黒四角は電子基準点を、黒矢印は衛星の進行方向を、赤矢印は衛星視線方向を、黒線は活断層の位置を表す。