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地球深部探査船「ちきゅう」見学
(2006年6月19日)

大阪港に停泊していた「ちきゅう」の一般公開(研究者向け)に行ってきました。

天保山埠頭に到着(現地集合)

「ちきゅう」の歩き方

午前10時、「ちきゅう」に到着しました。「ちきゅう」は日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)が所有する世界最大の海底掘削船です。 とても一目で見渡せない巨体は長さ210m、幅38m、総重量57000t。日本で造られた船としては戦艦大和、武蔵に次ぐ大きさだと言われてい ます。ひときわ目を引くやぐらは海面からの高さが120m。その足元には掘削フロアがあります。船の前部にはヘリデッキ、居住棟、研究棟があり、後部には掘削用のパイプが大量に積まれ、巨大なクレーンも備え付けられています。2006年現在は試運転をしつつ、日本各地に寄港して一般公開を行っています。私たちはその一環の、研究者向けの公開に参加しました。 ちきゅう」を目の前にして、乗船する前からみんなで興奮していました。最先端の調査船を前にして「血が騒いだ」ようです。

船内へ

乗組員の方に案内されて、研究室のメンバー9人で見学を開始しました。
まずはサロンのような広間で「ちきゅう」を紹介する映像を見ました。その部屋には乗組員のための書籍がたくさん置いてありました。
そのあとは医務室、食堂などを見学。食堂はちょうど昼食の準備が始まっており、いいにおいに包まれていました。
操舵室で船の航行について詳しい説明を受けました。「ちきゅう」は掘削中は海上の一点に留まる必要があるため、ほかの船とはスクリューが違うそう です。
船底には6つのスクリューがあり、それぞれ自由に向きを変えて海流や風に逆らいます。通常の航行では後ろの2つだけを使用します。
写真はそれを操作する6つのレバーと操作画面です。船全体がその場でくるくる回ることもできるます(母港の横須賀で実演したことがあるそうです)。
デッキには救命ボートが備え付けてありました。マイクロバスほどの大きさで、75人乗り(!)、1週間分の食料も積んであるそうです。

ヘリデッキ







船の先端にあるヘリデッキに出ました。海遊館が同じ高さに見えます。航行中は、交代要員や急病人がここからヘリコプターで飛び立ちます。
デッキの一番端、船首部分の上に立って記念撮影。下を見るとすごい高さなのですが、みんな次々に写真を撮っていました。
「ちきゅう」の停泊している天保山埠頭は安治川の河口にあり、港の入り口になっています。記念撮影中のみんなの背後が大阪湾です。

下を見るとこんな感じです。

掘削フロア

やぐらの足元にある掘削フロアにやって来ました。掘り出されたコアは黄色い台車に載せられて、ここを通って研究棟に運ばれます。
ドリルの先端に取り付けられるドリルビットが展示してありました。岩盤の種類や掘削目的によって変えるそうです。 人工ダイヤが使われていて大変高価なのですが、掘削作業であっという間にボロボロになって付け替え、という末路をたどります。
ここから先は安全のためにヘルメットとゴーグルをつけなければなりません。普段着にヘルメットといういでたちでやぐらの下へ行きました。

やぐらの下へ

下から見上げると、鉄骨が芸術的な美しさを描いていました。てっぺんまで80m近くあります。
この中でパイプを吊り下げて、次々につないで海底へと降ろしていきます。作業中は安全のためやぐら内へは立ち入り禁止。 鳥かごのような操縦室でオペレータふたりがクレーンを操縦します。
上を見上げると、束ねられたケーシングパイプとそれをつかむ装置がぶら下がっていました。

パイプは下の写真の赤い蓋のところから海底へと降ろされていきます。

再び船内へ

暑い屋外から冷房完備の船内へと戻りました。研究棟の中は立派な研究設備がそろっていました。大学の研究室並みか、それ以上の品揃えでした。
掘削したコアを調べるCTスキャナーや恒温装置、顕微鏡や重量計、写真にはありませんが磁場を遮断する部屋までありました。
さらに、「ちきゅう」が最初に掘削したコアが展示されていました。2005年に三陸沖で採取されたものだそうです。

乗組員の個室です。「4000円で泊まれるビジネスホテル並み」の設備がついていました。

またしても屋外へ

研究棟から再び掘削フロアに戻ってきました。先ほどヘルメットをかぶって見学したところの下にあるフロアです。
上の写真は、見学している私たちを船の外から撮ったものです。どうしてこんな写真があるのかは、あとでわかります。

先ほどの「赤い蓋」の下がこの写真のようになっていて、ここから水面までパイプが下りていきます。

上の写真は噴出防止装置です。海底に設置されて、ガスが噴出したときにバルブを閉めて船上までガスが届かないようにします。

船の後部には大量のライザーパイプが積まれていました。これらをつないでつないで、4000mの海底まで到達させます。

私たちの見学が終盤に差し掛かっていた頃、一緒に見学するはずだったメンバーが埠頭に到着しました。不慮の事故で電車が遅れてしまったのです。
彼はこの後、ほかのグループに混じって「ちきゅう」を見学しました。先ほどの外から私たちを撮った写真は、彼の手によるものです。

下船

見学を終えて、船の前で記念撮影。こうやって見ると、後ろにあるものが「船」だとは思えないでしょう。
公式にはここで解散となりましたが、このあとみんなで昼食を食べに行きました。

遅れてきたメンバーを待つ間に、近くの観覧車に乗って上空から「ちきゅう」を見ました。
やぐらの高さが観覧車のてっぺんとほぼ同じでした。反対側には、USJや天保山、大阪のビル群などが見えました。

おまけ

観覧車から見えた天保山に行ってみました。ここは「日本一低い山」を売りにしています(標高4.53m)。「登山道」を登り始めて1分、早くも山 頂に到着しました。
山頂には二等三角点が設置され、観覧車と「ちきゅう」のやぐら以外は木に囲まれて何も見えないという素晴らしい眺望でした。
日本一大きな船「ちきゅう」と日本一低い山「天保山」の両方をたった1日で制覇し、解散となりました。お疲れ様でした。

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